鹿児島県姶良市の県立姶良病院が、精神科に入院していた男性に電話の利用を制限したにもかかわらず、国の基準で求められているカルテへの理由の記載をしていなかったことが分かりました。

県立姶良病院によりますと、2015年9月から2017年2月までの間、精神科に入院していた30代の男性に対し、医師の判断で病棟の公衆電話などの利用を制限していました。

入院患者の電話や面会について、国の基準では、病状が悪化するおそれがある場合などは制限を認めていますが、制限した場合は理由をカルテに記載し、患者や家族らに知らせるよう定めています。

しかし、姶良病院は、男性のカルテに制限した期間は記載したものの、理由は書いていなかったということです。病院は「瑕疵があった」としています。

県弁護士会は男性からの人権救済の申し立てを受け、去年10月、電話の制限について適正な運用を求める要望書を病院に送っていました。

病院は、全職員に記載漏れがないよう周知したということで、山畑良蔵院長は「法にのっとった適切な行動制限となるよう引き続き努めたい」としています。