県立短期大学の学生が今年、鹿児島で伝統的に作られている「はんず茶」について学んでいます。学生手作りの「はんず茶」、どんな味のお茶なのでしょうか?

県立短期大学の生活科学科、食物栄養専攻の2年生が年に8回行う給食の調理実習です。「新茶」が出回るこの時期は抹茶のプリンなど県産茶を使ったメニューを取り入れていますが、今年は学生たちが手作りした「はんず茶」が登場しました。

(レポーター)「はんず茶、初めていただきます。後から甘味が少しずつ広がってくる感じでとても飲みやすいです。さわやかでおいしい」

(県立短期大学生活科学科 木下朋美助教)「ほとんどの人が、はんず茶を知らないので、これから広く全国にも知れ渡っていったらいいなと思っています」

「はんず茶」は、炊事用に使う半胴と呼ばれる「水がめ」を使って炒るお茶です。半胴は鹿児島弁で「はんず」。横に寝かした「はんず」を火にかけ、茶を炒ったあと、丹念に手もみして乾燥させて仕上げます。

鹿児島市の松元地区や日置市の一部で伝えられてきましたが、その製法を知る人が少なくなりました。今年、県立短大の「お茶育研究会」の学生が地元の人に習いながら伝承に取り組んでいます。

(2年生・お茶育研究会メンバー)「水がめで炒って、お茶のいい香りがして。炒ってる時もぱちぱちと音がするが、音と匂いとで心が浄化されました」

この日は給食と一緒に、いれたての「はんず茶」が提供されました。試食に訪れた学生や教職員も味わいました。

(学生)「おいしいです。そんなに苦みも感じなくて、すごく飲みやすい」

(学生)「(Qはんず茶って聞いたことある?)初めて聞きました」

(教員)「何杯でも飲みたいです。学生が(取り組みを)やったのはうれしいですね」

はんず茶は、今月4日に鹿児島市で開かれた新茶まつりでもふるまわれました。また、今月19日には鹿児島市春山町の「都市農村交流センターお茶の里」でもお茶炒りの実演や販売も予定されています。