鹿児島県がことし2月、一般競争入札にかけた県農業試験場跡地を巡る動きです。跡地を、原田学園と鹿児島医療生協が落札したことが分かりました。

県はことし2月、所有している鹿児島市西谷山2丁目の県農業試験場跡地について、民間事業者へ売却する一般競争入札にかけました。

その結果、関係者によりますと、跡地のうち、
▼1万9000平方メートルを原田学園が、
▼2万3000平方メートルを鹿児島医療生協が落札したということです。
このほか跡地には、市の児童相談所や海保の宿舎の整備が検討されています。

原田学園によりますと、学園が落札した土地は来月中に正式契約となる見通しで、「谷山地域によりよい教育を提供できるよう事業計画を策定したい」としています。

鹿児島医療生協が落札した土地は2万平方メートルを超えるため、6月議会で議決されれば正式契約となる見込みで、鹿児島医療生協は「現時点ではコメントできない」としています。

(記者)「長年、空き地になっていた土地。大きな動きがあり、地元の人はどう受け止めているのでしょうか」

(80代・戦前から居住)「もったいない。こんなに草が生えていて。有効に活用したほうがいい」

(50代)「やはり静かに(過ごしたい)。騒音が起きないよう配慮してほしい」

(60代)「近くに学校がある。(活用しないのは)もったいない土地。このままよりは施設ができたほうがいいと思う」

一方、農業試験場跡地に市のサッカースタジアムを整備するよう求めている住民グループは、民間への売却を「残念だ」と話します。

(県農業試験場跡地へのスタジアム整備を求める団体 田中良一副会長)「残念。(民間への売却は)地域の発展につながるのか。農業試験場跡地は谷山副都心の中心地。将来の10年、20年、30年先の鹿児島にとって良かったと思える利用方法ではない」

なお、今回落札された2つの土地の最低売却益はおよそ40億円で、県は鹿児島港本港区で計画する新たな総合体育館の整備費に充てる方針です。