鹿屋市の特別養護老人ホーム慈恵園で入所者の裸の姿をスマートフォンで撮影したり、両腕を押さえつけるなど職員2人による5件の虐待事案があり、鹿屋市に虐待と認定されていたことが分かりました。

慈恵園を運営する社会福祉法人永生会によりますと虐待は、去年5月から10月まで男性職員と女性職員の2人が認知症の入所者4人に対しあわせて5件行ったということです。このうち女性職員は、去年6月、深夜に服を脱ぐ行為を繰り返した女性入所者の裸をスマートフォンで撮影して、同僚に送信しました。

また男性職員は、去年8月、入所者の両腕を手で押さえつけて右腕を内出血させたり、去年10月には、入所者を叱責して恐怖感を与えたりしたということです。2人のうち男性職員は、すでに退職しています。

内部からの通報を受けて、鹿屋市は、去年11月から慈恵園に監査に入っており、ことし3月下旬に、裸の撮影について性的・心理的虐待とし、内出血については身体的虐待とするなど5件すべてを虐待と認定しました。

慈恵園は市から改善計画書の提出を求められ、今月すでに提出しています。慈恵園の入所者は59人で、今月上旬、家族に経緯を説明し、謝罪したということです。

慈恵園の施設長も務める永生会の萩原利恵子理事長は、「虐待はあってはならないことで、大変なことをしてしまい申し訳ない。再発防止策に取り組み、信頼回復に努めていきたい」と話しています。