常時マスクの過剰対応は不要だが…新型コロナ感染者、前年同期「第9波」の3倍以上 専門家「引き続き警戒を」

 2024/05/08 17:03
鹿児島大学島大学大学院医歯学総合研究科の西順一郎教授
鹿児島大学島大学大学院医歯学総合研究科の西順一郎教授
 鹿児島県内の新型コロナウイルス感染者は4月以降、1定点医療機関当たり3~4人で推移する。2023年同期の推計値に比べ3倍以上で、名瀬保健所管内では4月半ばから患者が増加。感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「警戒すべき感染症に変わりはない」と注意を呼びかける。

 5類移行に伴い、感染者数は定点医療機関の週1回の報告による定点把握になった。89カ所指定する県の平均は4月は3.34~4.16人。一方、全数把握だった昨年同期の1定点当たりの推計値は1.03~1.25人だった。

 昨年は5月から夏にかけて流行の「第9波」があった。西教授は「22年にも見られた傾向で、今年も同じ経過をたどる可能性は十分にある。感染していない人が多く、季節性になるにはまだ数年かかる」とみる。

 名瀬保健所管内では4月半ばから感染者が増え、15~21日は1定点当たり18.25人。同じ5類のインフルエンザには1定点当たり10人以上で注意報、30人以上で警報といった基準があるが、新型コロナは「長期間のデータの蓄積や一定の流行パターンを要する」(厚生労働省)として現時点で示すことは難しいという。静岡県や徳島県、大分県は独自の基準を設けている。

 西教授は「常時マスクを付けるといった過剰な対応は不要」としつつ、「咽頭痛などの症状があれば、マスクの着用や飲み会には行かないなど対策をする。症状が強い場合は早めの受診と治療を」と訴える。

 あわせて読みたい記事