現職は離島、新人は市街地へ…鹿児島県知事選まで2カ月、両陣営とも連休返上で支持固めや売り込みに奔走

 2024/05/07 07:07
鹿児島県知事選への立候補を表明している元県議の米丸麻希子氏(左)と現職の塩田康一氏
鹿児島県知事選への立候補を表明している元県議の米丸麻希子氏(左)と現職の塩田康一氏
 7月7日投開票の鹿児島県知事選まで残り2カ月となった。2期目を目指す現職の塩田康一氏(58)と、新人で元自民県議の米丸麻希子氏(49)はゴールデンウイーク(GW)中も休みなく県内を奔走した。離島を中心に回った現職は、“公認並み”の支援を受ける自民の県議や国会議員らと支持固め。新人は市街地で連日つじ立ちしたほか、各地のイベントに顔を出し、名前と顔を売り込んだ。

 「この人が引き続き知事を務めれば、鹿児島は確実に発展できる」。5日、種子島1市2町であった塩田氏の県政報告会。党総務会長の森山裕氏は全てに出席し、推薦する塩田氏への支持を呼びかけた。

 自民県議団はGW前、知事選の選対委員会を立ち上げた。現職を推して敗れた前回、前々回にはない対応。ベテラン県議は「公認並みだ。これ以上、森山会長の顔に泥を塗ることはできない」と語る。

 GW中、知事としての公務はほぼゼロ。自民県議の手引きで奄美や種子・屋久を回り、県政報告会を開いて企業や団体を訪問した。前回は草の根選挙を展開した塩田氏は「こうした機会をもらえるのはありがたい」としつつ、個人で支援者を回る日もあると明かす。

 自民県議が懸念するのは、派閥裏金事件を巡る逆風だ。4月の鹿児島市議選では得票率が10ポイント以上下落。「知事選でも影響は続く」とみる。県内外で続く女性候補躍進も警戒する。

 「鹿児島初の女性知事を目指しています」。米丸氏はGW中、鹿児島市や霧島、指宿などで対話集会を展開。伊佐市のドラゴンカップなど各地のイベントにも精力的に顔を出した。訴えの中心は、県が鹿児島港本港区のドルフィンポート(DP)跡地で進める新総合体育館の計画見直しだ。

 4月27日には鹿屋市でタレントのデヴィ夫人が講演する新体育館反対の集会に登壇した。「DP跡は鹿児島が誇るべき場所。知事になって計画を止める」と主張。「米丸さんをぜひ応援して」とデヴィ夫人から激励を受けると、立ち上がって笑顔で応えた。出馬表明前にあった同様のイベントでは裏方に回っており、初めて表に立った格好だ。

 陣営は米丸氏の全県レベルでの知名度不足を課題に挙げる。新体育館事業への県民の関心も低いと感じるという。出馬表明が3月で出遅れ感も否めない。「税金の使い道という点では全ての県民に関係する。世論を喚起したい」と話した。

 現時点で知事選に立候補を表明しているのは、塩田氏と米丸氏のみ。ほかに表立った動きは見られていない。

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