奄美でコロナ感染急増、1週間で3倍近くに…鹿児島県本土でも夏にかけ、この時期毎年流行の波 専門家らが警戒呼びかけ

 2024/05/02 21:30
 鹿児島県奄美市の名瀬保健所管内で4月半ば以降、新型コロナウイルス感染が広がっている。鹿児島県が週ごとにまとめる1定点医療機関当たりの感染者数は4月15~21日で18.25人と、県平均3.58人を大きく上回る。市中感染とみられ、同保健所は注意を呼び掛けている。

 県のまとめによると、管内の奄美大島と喜界島では4月1~7日の3.75人から、8~14日は10.50人と増加に転じた。幅広い世代で感染し、重症者はいないが、入院は増えているという。同保健所は管内市町村に文書で、関係機関への基本的な感染防止対策の徹底などを求めた。

 連休明けに発表される22日以降の感染者数もさらに増える見通し。大型連休で人の動きも活発化しており、相星壮吾所長は「県本土でも起こりうる。市中感染が広がれば集団感染のリスクも高まることを認識し、一人一人が『うつさない、うつらない』感染対策に努めてほしい」と訴える。

 4月15~21日は、県内89の定点医療機関からの感染者報告は319人で、前週より22人増えた。保健所別では、名瀬に次いで指宿が7.00人、出水が3.80人と多かった。指宿は前週の1.67人から増加している。県感染症対策課は「6週ぶりに報告数が増えた。今後の推移を注視し、必要な対策を呼び掛けていきたい」としている。