屋久島沖オスプレイ墜落…米軍機事故への「不安増した」55% 高齢層、女性に顕著な結果 南日本新聞社・意識調査

 2024/05/01 11:23
〈資料写真〉墜落したオスプレイの機体の一部とみられる漂流物を引き揚げる漁師=2023年11月30日午後3時45分、屋久島町の安房港
〈資料写真〉墜落したオスプレイの機体の一部とみられる漂流物を引き揚げる漁師=2023年11月30日午後3時45分、屋久島町の安房港
 南日本新聞社は鹿児島県民を対象とした、安全保障問題の意識調査を4月に実施した。昨年11月、屋久島沖に米空軍輸送機CV22オスプレイが墜落したことで米軍機事故に対する認識が変わったかどうかを尋ねたところ、55.5%が「不安が増した」「やや増した」と回答し、「変わらない」の31.7%を23.8ポイント上回った。

 西之表市馬毛島の基地整備に「反対」「どちらかといえば反対」と答えた人のうち83.3%が「不安が増した」「やや増した」と回答した。「賛成」「どちらかといえば賛成」とした人のうち同様の回答は39.0%だった。

 全体の回答は「不安が増した」30.9%、「やや増した」24.6%、「変わらない」31.7%、「対策がとられてむしろ安全になる」7.9%、「分からない」5.0%。

 年代別では、年齢が高いほど不安が増す傾向が出た。「不安が増した」「やや増した」と答えたのは70歳以上65.1%、60代56.1%、50代49.6%、40代36.9%、30代27.7%、20代34.7%の順だった。

 男女別では、女性の方が不安が増していた。「不安が増した」「やや増した」と答えた女性は70.6%、男性は47.2%だった。

 事故は昨年11月29日に発生し、米軍は搭乗員全8人の死亡を認定、7人の遺体を収容した。今年1月に不明者1人の捜索と機体回収を打ち切った。事故後、世界中でオスプレイ全機種の飛行を停止し、3月に解除した。米軍は「部品不具合」が事故の原因と発表したが、詳細は明らかにしていない。



 ▽調査の方法=鹿児島県内の18歳以上を対象に4月20、21の両日、固定電話と携帯電話に、コンピューターで無作為に発生させた番号をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。自動音声応答通話(オートコール)方式を採用。携帯電話で同意した人にはショートメッセージサービス(SMS)を使い質問に答えてもらった。1029人の回答を得た。性別の内訳は男性626人、女性365人、答えない38人。