「景色が変わった。子どもたちの夢につながる」…B2昇格を決めた鹿児島レブナイズ、苦難の道のりを知る元HCは思う…あの時、あの人たちがいたから今がある

 2024/04/29 11:32
インターネット観戦で鹿児島レブナイズのB2昇格を見届ける元ヘッドコーチの鮫島俊秀さん=28日、鹿児島市
インターネット観戦で鹿児島レブナイズのB2昇格を見届ける元ヘッドコーチの鮫島俊秀さん=28日、鹿児島市
 鹿児島レブナイズがB2昇格を決めた28日、鹿児島のバスケットボール界をけん引してきたチームの元ヘッドコーチ(HC)鮫島俊秀さん(68)=県協会理事=は試合を食い入るように見つめ「子どもたちの夢につながる。鹿児島のスポーツの景色が変わる」と感慨深そうに話した。

 自宅でインターネット観戦した鮫島さんは、パソコンで他会場の結果やデータも確認しながら試合を観戦。「苦労を重ねた時代があって今のチームがある。コーチ目線で、当時の選手たちと今のレブナイズを戦わせてみたいと考えてしまう」と笑顔をみせる。

 レブナイズの前身であるレノヴァ鹿児島、その母体で教員が多く在籍した「鹿児島レッドシャークス」で長年HCを務めた。県や九州、日本協会の理事なども歴任。クラブ内外のさまざまな立場から「鹿児島のバスケットボールを何とかしたい」と奮闘してきた。

 プロクラブに移行する際、当時の選手たちが口にしたのは「子どもたちが夢を持てる環境に」との言葉。それが現実に近づいていると感じる出来事が昨年11月にあった。

 サッカー鹿児島ユナイテッドFCの地元最終戦に約1万2000人が集まった同じ日、レブナイズのホーム戦にも3000人以上が駆け付けた。「8年前、ともにプロリーグに初参戦したクラブが両輪となり、鹿児島のプロスポーツが渦を巻いて広がっていると実感した」と振り返る。

 B2昇格という大きな目標を達成したレブナイズ。教え子の中には、下部組織で指導者を務めたり、社会人を中心としたセカンドチームの指揮を執ったりとまいてきた種が少しずつ実を結んでいる。「厳しい状況の時に手を差し伸べてくれた人たちに改めて感謝したい。さらにスポーツ文化として深まっていくのを楽しみにしたい」と目を細めた。