馬毛島固有のマゲシカ生息数は1000~1200頭 自衛隊基地整備で防衛省が環境アセス「個体数は減少していないと推定」

 2024/04/27 16:30
群れをなすマゲシカ=2022年8月、馬毛島上空からドローンで撮影
群れをなすマゲシカ=2022年8月、馬毛島上空からドローンで撮影
 鹿児島県西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画を巡り、防衛省は26日、島固有のニホンジカ亜種マゲシカの個体数が現時点で1000~1200頭程度とする推定結果を発表した。

 防衛省によると、島内の開けた場所での目視と見通しの悪い樹林内に置いたセンサーカメラの2種類の調査から推定した。目視は昨年4、7、10、12月にそれぞれ2日ずつ調べた。いずれも晴天で最も多く確認できたのは12月24日の1209頭、最も少なかったのは7月9日の233頭だった。他の日は主に800~900頭台で推移した。防衛省は「シカの個体数は減少していないと推定される」としている。

 カメラは昨年の4~5月、6~7月、10~11月、12月~今年1月にそれぞれ1カ月間、見通しの悪い樹林内に設置。63~158頭が確認された。

 昨年1月に公告した環境影響評価書では、同じ手法で調査し、700~1000頭と推定していた。評価書には工事期間中に年4回、マゲシカの生息状況を調査すると記載している。

 推定方法は目視調査の低い値にカメラ調査の高い値を加えた数を下限の頭数、目視の高い値にカメラの低い値を加えた数を上限の頭数とした。開けた場所にシカが多い場合は樹林内に少なく、開けた場所に少ない場合は樹林内に多いと考えた。「夏は草地の日陰に潜み、目視調査の確認頭数が少ない」として推定から除いた。

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