暖冬、長雨で野菜が高い…家計に追い打ち、悩む消費者 スーパーは売り方工夫
2024/04/24 06:55
野菜を手に取り吟味する買い物客ら=23日、鹿児島市与次郎2丁目のおいどん市場与次郎館
「葉物は高くて買うのを諦めた」。鹿児島市内のスーパーを娘と訪れた同市新屋敷町の蜂須賀悦子さん(72)はため息をつく。同市南林寺町の会社員日高亜耶さん(33)は「スーパーや直売所を回って安い物を買う。冷凍野菜も買うが、日持ちしない野菜が困る」と話す。
生協コープかごしま(同市)では、レタスやキャベツが大幅に上がり、ニンジンも例年の倍の価格になった。広報担当者は「暖冬でピークが早く3月は品薄状態だった。そこに霜や直近の長雨が追い打ちを掛けた」と説明する。店頭では4分の1や8分の1といった小分けにしたり、カット野菜の扱いを増やしたりして、手に取りやすい価格になるよう工夫する。
一方、産直野菜が人気を集める。同市与次郎2丁目のおいどん市場与次郎館では3月ごろから、来店者が1~2割ほど増えている。23日に訪れた同市上荒田町の若松恵里さん(37)は6歳と8歳の子育て中。「子どもにはいろいろな種類の野菜を食べさせたい。産直は安くて旬のものが買えるので助かる」と品定めしていた。ただ同店でも入荷量は不安定で、現在はキャベツやニンジンは品薄だ。
JA県経済連野菜振興課によると、日照不足で葉物のほか、ピーマンやキュウリも生育がよくない。雨が続くとジャガイモなどの露地物は収穫できず、全体的に不足が続くとみる。市場が休みになる連休前は引き合いが増え、さらに高値を招く可能性も指摘する。「天候の回復次第だが、長雨による病気も心配。なかなか見通しが立たない」としている。
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