鹿児島-鹿屋が30分圏内に?! 小型高速船でマリンポートかごしまと鹿屋港結ぶ定期航路開設へ 大隅半島観光の活性化に期待

 2024/04/20 06:40
 小型船舶の船体やエンジンの修理を手がける「なんきゅうドック」(鹿児島市)が、マリンポートかごしま(同市)と鹿屋港(鹿屋市)を結ぶ定期航路を開設することが19日、分かった。九州運輸局へ申請し、今夏の運航開始を目指す。片道約30分で結び、クルーズ船の入出港時間などに合わせ、朝夕1往復ずつを計画する。

 同社によると、鹿児島-鹿屋間にかかる所要時間は、既存のフェリーや高速道路と比べ、大幅に短縮できるという。今村弘彦会長(84)は「住民の利便性向上のほか、クルーズ船客を大隅半島へ誘客したい。幅広い用途で使ってもらえれば」と話した。

 同社が所有する60人乗り小型高速船「なんきゅう8号」(18トン、全長20メートル)を使用する。同船は2022年、マリンポートを起点にした航路活用を目的に新造。現在、定期航路就航へ向け改良している。1便あたり30人前後の利用を想定。1人片道1800円、8枚つづりの回数券(1万800円)を予定する。

 同社は、19年に県がマリンポートに浮桟橋を整備して以降、旅行会社などと連携してマリンポートから大隅半島へのツアーを不定期で実施してきた。一方で、ツアーでは観光客が戻るまで港での待機時間が長いなどの課題があった。

 定期便化は、鹿屋市民らの要望を受け検討。新型コロナウイルスが収まりクルーズ船入港が増えているほか、通院や通勤など一般利用の需要も見込めると判断した。県が鹿屋港に整備した浮桟橋を利用する。

 なんきゅうドックは、山川(指宿市)-根占(南大隅町)を結ぶ定期船「フェリーなんきゅう」を運航している。

 あわせて読みたい記事