衆院選の本番さながら…鹿児島1、2区で出馬予定の6人 鹿児島市議選で地域を奔走 自民「厳しい」 野党「次につながる」

 2024/04/20 21:32
衆院鹿児島1区に出馬予定の宮路拓馬氏(左)と川内博史氏
衆院鹿児島1区に出馬予定の宮路拓馬氏(左)と川内博史氏
 任期満了で14日に投開票された鹿児島市議選は、通常国会会期末の6月にも衆院解散がささやかれる中、総選挙の前哨戦と位置付けられた。衆院鹿児島1、2区への立候補を予定する6人は、本番さながらに地域を奔走した。

 政治資金パーティー裏金事件の余波もある中、自民党は改選前より得票率を10ポイント以上落とした。立憲民主党は1議席増やし、維新も初議席を獲得するなど野党が勢力を拡大。自民は「厳しい内容」、野党は「次につながる」と受け止める。

■1区

 自民現職の宮路拓馬氏(44)と、近く比例九州で繰り上げ当選する立民元職の川内博史氏(62)の現職対決が見込まれる。

 宮路氏は告示日の7日、出陣式を10カ所以上はしごしてマイクを握った。「1区の支部長になって初めての市議選。選挙区の現職と新人を全力で支えて連携を図りたい」。都合がつかなかった陣営にも、自身の事務所スタッフが全て足を運んで激励した。

 仮に6月解散となれば、国政復帰から間髪入れずに選挙戦に突入することになる川内氏。昨年9月から新人候補と地域を回り、告示後は「市議選から政治の流れを反転させたい」と応援演説に立った。党幹部も鹿児島に複数回入り、てこ入れを図った。

■2区

 現職の無所属三反園訓氏(66)、自民保岡宏武氏(50)=比例九州=の保守系2人と、共産新人松崎真琴氏(66)、日本維新の会新人辻健太郎氏(37)が争う構図になっている。

 告示日の7日、自民会派の三反園氏は鹿児島市下福元町で町内会の総会に招かれて出席。あいさつで市議選には言及しなかったが、取材に「自民市議と支持者が重なるので、支持者を回ることが支援につながる」と答えた。自民現職の事務所にも顔を出した。

 保岡氏は同日、市南部を地盤にする現職の出陣式をはしご。党派閥の政治資金パーティー裏金事件に触れ、「逆風の中でも政治を任せてもらえるよう、自民が変わらなければならない」と訴えた。平日も国会の合間を縫って鹿児島に戻り、演説会でマイクを握った。

 松崎氏は「市議選の結果は衆院選に直結する」とし、比例票の獲得も念頭に、2区に加えて1区にも足を運んで応援演説に立った。自民の裏金問題に触れ、「政権を終わらせるしか根本的解決の道はない」と声を張り上げ、有権者と握手を交わした。

 「自民に対する不満や怒りの受け皿になりたい」と語る辻氏は、維新の候補者とビラ配りやつじ立ちに汗を流して票の掘り起こしを図った。2月に立候補を表明したばかり。知名度不足を認め、「地道な活動が次につながる。一つ一つやるだけ」と本番を見据えた。