このままじゃ安心して子育てできない…小児科医確保へ、志布志市が最大1億円の開設支援金
2024/04/19 14:48
(資料写真)
志布志市では、2カ所あった小児科専門の医療機関がいずれも2023年度末までに閉院。小児科不足は、市が進める移住定住促進に影響が大きいとして3月、「小児科開設支援事業補助金」創設に踏み切った。
補助金は市内で小児科を新設か事業承継する医師・医療法人に対し、開設準備や経営安定化の経費として最大で1億円を交付。10年以上継続し診療を行うことや、5年以上の小児科臨床経験などの要件がある。
市は情報をホームページに掲載し、全国の医師が登録する配信サイトやメールマガジンに発信。市保健課の北野保課長は「志ある小児科医にぜひ志布志市で開業してほしい」と話す。
従来の小児科が担ってきた乳幼児検診と予防接種は、市内の他の医療機関や鹿屋医療センター、曽於医師会、都城市北諸県郡医師会が当面協力。このほか、24時間利用できる妊婦や未就学児向けの医療相談アプリを準備中で、子育て環境の整備を急ぐ。
1歳2カ月の子どもを育てる市移住・交流支援センター「Esplanade(エスプラネード)」の田川貴雄さん(40)は「小児科不在は人口減に直結する問題。急な体調不良、子どもしかかからない病気など不安は多い。小児科はもちろん、病児保育やオンライン診療など現実的なところから取り組んでほしい」と話した。
■大崎町な内科も対象に
大崎町の立ち上げた「開業医誘致制度」は町内での内科・小児科の開業を支援。事前審査を経て、土地取得費や医療機器購入費など上限1億円を補助する。
町保健福祉課によると、町内に元々小児科はなく、内科2病院が22年以降診療をやめた。残る3病院も負担が増し、多忙化や高齢化が懸念されている。
町は23年1月に町内の医師らを含めた「町の医療を考える会」で協議し、県外の事例を参考に制度を創設。医師の出身大学や県医師会に情報発信を始めた。
岩元貴幸課長は「医療過疎が進み、10年後を見据えると今のうちに手を打たなければ厳しい。内科・小児科を目指す方に大崎町に来てもらうため支援したい」と話した。
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