「娘はいつも気持ちの真ん中に」…保育所でおやつ後に急変、40日後に亡くなった6カ月女児の窒息事故発生から1年 父親が心境語る

 2024/04/19 07:10
女児が保育園に着て行っていた洋服を前に、思いを語る父親=18日午前、鹿児島県姶良市
女児が保育園に着て行っていた洋服を前に、思いを語る父親=18日午前、鹿児島県姶良市
 鹿児島県姶良市の認可保育所で、6カ月の女児がおやつ後に意識不明の重体になり、40日後に亡くなった事故発生から1年がたった18日、女児の父親が取材に応じ、「娘はいつも気持ちの真ん中にいる」と心境を語った。誤嚥(ごえん)による子どもの窒息事故が後を絶たない現状を憂い、「防げない事故ではないと思いたい。二度と起こしてほしくない」と願った。

 この一年、18日や月命日の28日を迎えるたびに、「乗り越えないといけない日にちと感じてきた」と話す。それでも「気持ちは4月18日に戻ってしまう。申し訳ないという気持ちで、毎日仏壇に手を合わせている」と明かした。

 保育園に通い始めたのも昨年の4月だ。手元を離れることに「やっぱり妻は寂しがっていた。連絡帳を見て、日々の成長が楽しみだった」と振り返る。女児が園に着て行くために新調した服を前に、「まだ小さかったけれど、夜はよく寝てくれて、朝は黙って起きて待っていてくれた。親思いな子だった」としのんだ。

 市の検証委員会が3月にまとめた報告書について「おおむね私たちの思いに沿ったものだった」としつつ、「娘が亡くなる前にガイドラインの見直しや研修をやっていれば違ったのかなと思う」と述べた。行政に対しては「事故が起きた場合の家族に対する連絡やフォローもしっかりしてほしい」と求めた。

 同市の興教寺保育園では2023年4月18日午後、女児にすりおろした生のリンゴを食べさせた後あおむけに寝かせたところ急変、意識不明の重体となり、5月28日に死亡した。遺族代理人によると、死因は誤嚥し窒息状態になったことが原因とみられる多臓器不全。市が6月に設置した検証委は今年3月、原因分析と再発防止策を報告書にまとめた。

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