甘酸っぱい香り漂うつぼ畑 春の黒酢仕込みがシーズン迎える 霧島市福山

 2024/04/18 21:00
伝統のつぼ造り黒酢の仕込み作業をする職人=18日、霧島市福山町福山
伝統のつぼ造り黒酢の仕込み作業をする職人=18日、霧島市福山町福山
 霧島市福山で特産の黒酢が春の仕込みシーズンを迎えている。18日、坂元醸造のつぼ畑では甘酸っぱい香りが漂う中、職人がつぼ一つ一つに原料を入れていた。6月末まで続く。

 職人は4人一組となり、混ぜこうじと蒸し米、地下水を7分目まで注ぎ入れ、仕上げにこうじを振りかける。仕込み後は週1回、発酵の進み具合を確かめながら世話をしてじっくり熟成させる。黒酢になるまでには仕込みから1年以上かかるという。

 つぼ造りの黒酢は、江戸時代から200年以上続く。同社は、市内10カ所計5万2000個のつぼで、毎年春と秋に仕込む。坂元宏昭醸造技師長(50)は「まろやかな味わいは、つぼ造りでしか出せない。丹精込めて熟成させ、おいしい黒酢を全国に届けたい」と話した。