体をひねって指差し確認、ハンドル回して腕を捻転、アクセル踏んで足首ほぐす…高齢者の交通事故防止と健康づくりの一石二鳥 鹿屋体大と県警が「安全運転体操」考案

 2024/04/17 18:02
安全運転体操を披露する高齢者=15日、鹿屋市の同大学
安全運転体操を披露する高齢者=15日、鹿屋市の同大学
 高齢者の交通事故を防ごうと、鹿屋体育大学(鹿屋市)と鹿児島県警が「安全運転体操」を考案した。アクセルを踏むなど、車の運転に必要な動きを取り入れ、身体能力向上を目指す。15日、同大でお披露目会があり、学生や近所の高齢者ら約20人が実演した。

 運転席に座ったり、ブレーキをかけたりする動きなどを組み合わせた。例えば安全確認の動きでは、体を左右にひねりながら膝を軽く曲げることで、体幹のスムーズな動きや足の筋力強化を狙う。

 全部で4分ほどあり、おはら節に合わせて体を動かす。注意能力を高めるため、間奏で簡単なクイズも設けた。

 参加した野間リツ子さん(76)=同市花岡町=は、50年以上ゴールド免許。「地方では車がないと不便。体を動かして長く元気に過ごし、安全運転を続けたい」と話した。監修した中垣内真樹教授(52)=老年体力学=は「若い人にも活用してもらい、年を取っても運転ができる体づくりに役立てて」と勧めた。

 県警交通企画課によると、昨年県内で交通事故で死亡した人のうち65歳以上が約7割を占めた。以前は歩行中に事故に遭うケースが多かったが、近年は運転中の事故で命を落としたり、歩行者をはねたりする事例が増えているという。体操は県警の公式ユーチューブで見られる。