高齢者に処方箋なしでイベルメクチン グループホーム職員の大半が2月末に退職 無処方薬投与の不安や業務改善訴え

 2024/03/28 11:24
小園成美県議が運営する高齢者福祉施設=20日、指宿市
小園成美県議が運営する高齢者福祉施設=20日、指宿市
 鹿児島県議会の小園成美議員が指宿市で運営する2カ所の高齢者福祉施設で、医師が処方していない抗寄生虫薬を利用者らへ投与していた問題や待遇などを巡り、両事業所の職員の大半が2月末に退職した。これを受け市は施設の運営指導を実施した。

 小園議員によると、2施設では2月29日、職員19人中16人が退職した。その後介護経験者を確保したり、計13人いた利用者の一部を他施設に移したりして対応。3月15日以降は一方に利用者9人を集め、職員18人体制となっている。運営に支障は出ていない。

 関係者によると、元職員らが無処方薬を投与することへの不安や業務改善について訴えると、小園議員から「上司に逆らうものではない」などと言われた。小園議員は取材に、発言は「覚えていない」と説明。大量退職以前の昨秋から待遇などについて職員と協議が続いていたとし、「相談した県外業者から経営交代を迫られていた」と話した。