「命の営み」夜の海、幻想 奄美近海でサンゴ産卵期、バンドル一斉放出

 2023/06/08 20:50
無数のバンドルを放出するオトメミドリイシ=7日午後、瀬戸内町手安(興克樹さん撮影)
無数のバンドルを放出するオトメミドリイシ=7日午後、瀬戸内町手安(興克樹さん撮影)
 鹿児島県の奄美大島近海でサンゴが産卵期を迎えた。瀬戸内町手安沖では7日夜、卵と精子が入った「バンドル」と呼ばれるピンク色の粒が一斉に放出され、海中に幻想的な光景が広がった。8月ごろまで続く見込み。

 奄美海洋生物研究会の興克樹会長(52)=奄美市名瀬=が大和浜の沖合60メートル、深さ5メートルで撮影した。

 枝状のオトメミドリイシやクロマツミドリイシ、コエダミドリイシなどミドリイシ属の5種類が次々と産卵し、1時間ほど続いた。直径0.5ミリのバンドルは海面に浮かび上がってはじけ受精し、幼生になって海底に定着する。

 一帯は数十メートルものサンゴの大群落が点在する。興さんは「ピーク時にはバンドルで前が見えないほどだった。命の営みに感動した」と話した。