思い出のランドセル140個 フィリピンへ 小・中学生とJCがタッグ 資金不足の学校に協力 鹿児島・南さつま

 2022/04/25 11:35
集まった赤や青のランドセルと協力した子どもたち=枕崎市の枕崎小学校
集まった赤や青のランドセルと協力した子どもたち=枕崎市の枕崎小学校
 南さつま市の南さつま青年会議所(JC)が企画した途上国支援事業「世界とつながる思い出のランドセル~南さつまからSDGs(持続可能な開発目標)の実現」に地元の小中学生が協力し、市内外から約140個のランドセルが寄せられた。教育を受けられない同年代に思いをはせ、再利用の大切さも学んだ。

 枕崎市の枕崎小ではプルタブや古着の収集、ごみ拾いなどSDGsの取り組みの一環でランドセルの提供を呼び掛けた。22個集まり、住民から鉛筆やノートも譲り受けた。途上国へ送るため、ギンナンの実や育てた野菜を販売して資金づくりに励んだが、目標に届かず今年はあきらめていた。

 JCの事業で輸送できるようになり児童は大喜び。中心になって活動した卒業生の山崎麻悠さんは「みんなの善意が生かされよかった」、神浦寿音さんは「SDGsを学習し無駄にしたくない気持ちが強まった」と話した。向井結渚さんは「私たちと同じように勉強できるきっかけになり、笑顔になれば」と願った。

 支援組織を通しフィリピンのセブ島へ贈られる。JCの是枝佳彦理事長(39)は「廃棄物や貧困の問題に関心を示し、できることを考えて行動してくれた。有効活用と教育環境向上を願う気持ちも贈りたい」と感謝した。