九州和牛コンテストで上位独占 強さの秘密は…「愛情かな」 鹿児島・中種子

 2021/09/18 20:59
親子3人で牧場を経営する(右から)中崎和行さん、優さん、幸男さん=中種子町増田
親子3人で牧場を経営する(右から)中崎和行さん、優さん、幸男さん=中種子町増田
 福岡県太宰府市で4日にあった九州管内系統和牛枝肉共励会で、中種子町産の牛が上位3賞を独占した。新型コロナウイルスの影響で需要が伸び悩み、子牛の競り値が落ち込む中での初の快挙。関係者は「種子島の子牛が注目され、生産農家の励みになる」と喜ぶ。

 共励会は、九州・沖縄8県のJA系統の農家がサシの入り方など肥育技術を競う。金賞は納官の藤川新治さん(63)、銀賞1席は増田の中崎和行さん(61)、銀賞2席は野間の山口次芳さん(79)が出荷した子牛が輝いた。

 藤川さんは農機具整備が本業の兼業農家で5頭を飼う。妻京子さん(63)と二人三脚で約40年、畜産を続けてきた。初の入賞に2人は「まさか金賞に選ばれるとは。愛情を込めて育てた結果かな」と声を弾ませた。

 中崎さんは長男優さん(37)、次男幸男さん(36)と牧場を経営する。町内有数の大規模農家で約200頭を飼育。「種子島の子牛の評判が広まり、購買者が増えてくれればいい」と笑顔を見せた。

 山口さんは勝洋さん(50)、翔舞さん(25)と親子3代で約140頭を育てる。11年の金賞以来、2度目の入賞。「好成績を続けるのは難しいが、またいい牛を出せるよう頑張る」と誓った。

 町の畜産は、サトウキビ栽培と並ぶ基幹産業。田渕川寿広町長も町議会で報告し、「農家の飼養管理技術のたまもの。産地として競り値にも好影響が期待できる」と話した。