昼間なのに噴石を観測できない? 警戒レベル決定に重要 専門家「監視体制の強化を」 十島・諏訪之瀬島
2021/08/04 10:00
爆発する諏訪之瀬島の御岳=6月23日午前0時4分(鹿児島地方気象台提供)
諏訪之瀬島の噴火警戒レベルは現在2(火口周辺規制)。この半年あまりでレベル2と3(入山規制)の切り替えが計6回あった。
問題なのは3への引き上げ時だ。気象庁は「火口から1キロ以上に大きな噴石が飛散」「火口から1キロ付近まで飛ぶ大きな噴石を48時間以内に複数回観測」などの基準で判断している。初めてレベル3になった昨年12月28日以降、3への引き上げ3回はいずれも深夜だった。
噴石は高温で赤や黄色に光りながら飛ぶため、夜空では目立つ一方、日中は星が見えないのと同じようにとらえにくい。曇りや雨の日も雲に隠れて見えにくくなる。
京都大学防災研究所の井口正人教授は「昼間に大きな噴石が1キロ付近まで飛んでいる可能性は十分あり、住民も外出している」と監視の強化を説く。その上で「カメラの高解像度化や赤外線カメラがあれば、昼間でも噴石の飛散を確認できる」と指摘する。
気象庁も観測体制の不備を認める。昼間や悪天候時に噴石をとらえられるよう対策を検討しているという。ただ、火山監視課は「予算の問題に加え、設置場所が限られ、メンテナンスも大変」と離島特有の難しさを挙げる。現時点で設置に向けた具体案は出ていない。
気象庁は2011年3月、島南部のキャンプ場にカメラを設置し、噴石の飛散を監視している。
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