速度超過回避しようと機首上げ、客室乗務員転び骨折 JAC事故で運輸安全委が報告書

 2021/07/31 09:48
事故があったものと同型の機体
事故があったものと同型の機体
 日本エアコミューター(JAC、霧島市)の鹿児島発種子島行き3763便(ATR42-500)が2019年10月、飛行中に揺れて客室乗務員1人が右脚を骨折した事故で、運輸安全委員会は30日までに調査報告書を公表した。パイロットが速度超過を回避するため機首上げの操作をし、機体の姿勢が大きく変化したことが原因と考えられるとした。

 報告書によると、同機は19年10月12日午前11時すぎ、機長のほか客室乗務員2人と乗客16人を乗せ、鹿児島空港(同市)を離陸。大隅半島南端上空を航行中、局地的な風向・風速の変化に遭って最大運用速度を超える可能性があり、機長と副操縦士は減速するため機首上げ方向に操縦かんを引いた。機体は大きく揺れ、機内サービス中だった客室乗務員が姿勢を崩し転倒した。

 JACは再発防止策として、超過速度に近づいたり、超過したりした場合の操作手順を運航乗務員に周知。座学とシミュレーターによる訓練もしたという。