種子島沖旧海軍機 引き揚げ初日は遺骨見つからず 調査団「最後までやり遂げる」
2021/06/24 06:30
引き揚げられた九七艦攻のものとみられる部材を調べる関係者=23日午後、西之表市国上沖
日本戦没者遺骨収集推進協会の調査団によると、ロープを巻いて機体全体を引き揚げようとしたが、もろくなっていた部分が崩れたため、2度に分けてクレーンでパーツごとにつり上げた。回収した部品は台船で保管している。24日は主翼部分などの回収と海底の遺骨調査を進める。
名雪文明団長は「長い年月がたち、想像以上に壊れやすくなっていた。乗っていた方はつらい思いをされたのだろうと感じた。遺骨の調査は最後までやり遂げる」と話した。
機体は2015年、漁師らの証言を基に地元のダイバーが発見した。喜志鹿崎の北300メートル、水深約18メートルの砂地に裏返った状態で沈み、両主翼の半分を失い、操縦席が砂に埋まっていた。
遺骨が未判明のまま機体を引き揚げる大規模調査は異例。15日に着手したが、海上のしけで作業が遅れた。機体を取得・保存予定の大分県宇佐市によると、国内で現存が確認された九七艦攻機はほかになく、米国ハワイと英国にそれぞれ1機ある。
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