H2Aロケット47号機 8月以降打ち上げへ H3調査踏まえ対策、小型月着陸実証機など搭載 

 2023/05/26 11:55
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
情報収集衛星を搭載し上昇するH2Aロケット46号機=1月26日、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、打ち上げに失敗したH3ロケット1号機の調査を踏まえ、H2Aロケット47号機については、H3と共通する機器の対策に見通しがついたとして8月以降の打ち上げを目指すことを明らかにした。文部科学省の有識者委員会で報告した。

 47号機は、「H3」1号機と同系エンジンを使用。影響の有無が判明しなかったため、5月に予定した打ち上げを延期していた。

 JAXAは検証試験を通して、ショートや漏電する可能性がある場所に絶縁処置を施したり、検査を強化し部品の損傷の兆候がないかを確認したりするなど対策を講じた。

 47号機は、高精度な月面着陸技術を立証する小型月着陸実証機(SLIM)と、銀河や星の大規模な構造を明らかにするX線分光撮像衛星(XRISM)を搭載する。月への軌道に投入できる8月以降の時期に合わせ打ち上げる。

 H3の1号機は3月7日、南種子町の種子島宇宙センターから離陸後に2段目エンジンが着火せず指令破壊された。2段目エンジンが着火しなかった要因について、エンジンを駆動する装置内で電流のショートや漏電が起き、過大な電流の発生につながった可能性が高いとみている。