シェラトン経済循環 早くも ホテル内カフェへ一般客 宿泊者は周辺店で飲食 外国人向け新サービスも登場

 2023/05/26 08:58
地元の住民の利用が多い1階のカフェ「&More(アンドモア)」=24日、鹿児島市のシェラトン鹿児島
地元の住民の利用が多い1階のカフェ「&More(アンドモア)」=24日、鹿児島市のシェラトン鹿児島
 外資系ホテル「シェラトン鹿児島」(鹿児島市高麗町)は26日で開業から10日が過ぎた。高級ブランドのサービスを体験しようと館内のカフェやレストランには宿泊客に加え、多くの県内客が訪れている。周辺店舗では、翻訳機を導入するなど海外客の利用を見込んだ動きが出始めた。

 シェラトンは世界で約8500のホテルを展開する米マリオット・インターナショナルの高級ブランドの一つ。約1億7000万人の会員を持つ。九州では宮崎市に次いで2カ所目になる。

 16日の開業後初めての週末を迎えた20日、1階のカフェ「&More(アンドモア)」は多くの客でにぎわっていた。

 同ホテルによると、これまでの宿泊客の約7割がマリオットの会員。国内各地からの客が多く、欧米から訪れた客もいる。レストランは宿泊客と県内客で満席が続き、カフェはほとんどが県内客という。戸田猛樹総支配人(59)は「多くの方に来ていただいている」と手応えを語る。

 24日に友人とカフェを訪れた鹿児島市の70代女性は「優雅な気分を味わえて鹿児島がグレードアップした感じ。次はレストランに行きたい」と笑顔を見せた。

 周辺店舗も客の取り込みを図る。隣接するエーコープキラメキテラス店では、ホテル開業前までほとんど見かけなかった外国人が来店するようになった。対応できるよう翻訳機を備える。

 近くのレストラン「TO THE HERBS」にも開業後、2、3組の外国人が来店した。周辺の甲突川沿いを散策する宿泊客が増えるとみて、夕方から1階ベーカリーショップで料理と酒の提供を始めた。東條吉宏店長(48)は「観光客と地元の方の交流の場になれば」と話す。

 ホテル前の大通りを挟んで立地する「天ぷら新橋」にも海外や県外からの客が増えたという。店主の上原由美さん(52)は「シェラトン効果で今後も増えてほしい。英語のメニューも作ろうかな」と期待をにじませた。