その信号機、まだ必要?…交通実態調べ全国で撤去進む 一灯式点滅から一時停止標識で事故減った交差点も
2022/10/03 08:15
信号機の撤去が全国で進んでいる。交通量や歩行者の減少で必要性が薄れた交差点、横断歩道が対象。そのままにしておくと維持管理のコストがかかり、合理化、効率化を図る狙いもある。鹿児島県内では一灯式点滅信号機を撤去する動きが広がり、一時停止の標識に切り替えたことで事故が減った交差点もある。
警察庁は2019年3月、交通実態にそぐわなくなった信号機を放置した場合、信号無視を誘発したり、車を不要に停止させたりするとして、都道府県警に撤去を促す通知を出した。
鹿児島県警はこの年から県内にある信号機約3000基の必要性を調べた。(1)ピーク時の1時間の往復通行量が300台以上(2)隣接する信号機との距離が原則150メートル以上-などとした設置指針に照らした結果、1060基で詳しい調査が必要と判明。このうち約760基の詳細調査を終え、約330機で必要性が低下していることが分かった。
19~21年の3年間に県警が撤去したのは30基。23基を一灯式点滅信号機が占める。「注意して進行」の黄点滅と一時停止の赤点滅で通行を規制しているが、設置に地域差があり、ドライバーにルールが十分浸透していないこともあり、警察庁は撤去が妥当と考えられる信号機に分類するよう通達している。
鹿児島市東郡元町のみなみ保育園前交差点は、20年に一灯式が撤去され、替わりに夜間はランプが光る一時停止の標識が設置された。県警によると撤去後、物損事故が3件(8月末現在)あったが、事故件数は減った。
保育園の原口洋子副園長は「一灯式は設置位置が高く、運転手が気づいていないのか、スピードが出たまま交差点に進入するケースもあった。看板設置後は大きな事故がなく、ひやりとする場面は減った」と効果を口にした。
県警は詳細調査を実施している信号機を中心に今後も撤去していく方針だ。交通規制課の前田智宏理事官は「必要性が低下した全てを撤去するわけではなく、必要な場所には新たに設置することもある。安全性を考慮し、地域住民と協議しながら進めていく」と話した。
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