トラクターから火 水道の水では間に合わない…浴槽から10人超でバケツリレー とっさの判断が延焼防ぐ

 2022/05/25 21:00
バケツリレーで延焼を防いだ皆倉自治会の諏訪原美義会長(中央)ら=錦江町城元
バケツリレーで延焼を防いだ皆倉自治会の諏訪原美義会長(中央)ら=錦江町城元
 大隅肝属地区消防組合の南部消防署(鹿児島県錦江町)は、バケツリレーによる初期消火で延焼を抑えたとして、同町皆倉自治会を表彰した。諏訪原美義会長(69)は「昨年実施した防火訓練が役に立ちうれしい」と述べた。

 同署によると、4月10日午前11時40分ごろ、錦江町神川でトラクターが燃える火災があった。気付いた住民が10人以上集まってバケツリレーなどをして、消防隊が到着する前に鎮火した。最初は水道の蛇口からバケツに水を注いでいたが、間に合わないと判断し、トラクター所有者宅の浴槽に張っていた水を使って消火した。

 5月17日感謝状を手渡した楠原新一郎署長(59)は「判断力と行動に意識の高さを感じた」とたたえた。