京セラ国分が工場2棟増設 半導体関連部品の生産能力2倍に 110億円投資、22年10月操業

 2021/10/21 07:15
 京セラ(京都市、谷本秀夫社長)は20日、ファインセラミック事業の拡大などを目的に、鹿児島国分工場(霧島市国分)に新たに工場2棟を建設する立地協定を霧島市と結んだ。約110億円投資し、2022年10月から順次操業する。

 第5世代(5G)移動通信システムの普及などに対応し、半導体製造装置に使うファインセラミック部品の生産能力を従来の2倍にするほか、他事業の生産スペースを確保する。

 計画地は京セラグラウンドに隣接する、同社所有の空き地2万1200平方メートル。鉄骨2階建て延べ床面積1万120平方メートルと、鉄骨6階建て延べ床面積3万7497平方メートルを建設する。11月に着工し、それぞれ22年10月と23年10月に操業開始予定。35人を新規雇用し、初年度(23年4月~24年3月)の生産計画は34億円を見込む。

 同市役所で調印式があり、塩田康一知事も立ち会った。佐藤隆執行役員常務(61)は「霧島から世界に向けて最先端の部品を供給し、地元経済の活性化と雇用創出に貢献できれば」とあいさつ。新型コロナウイルスや経済安全保障を念頭に、「国内で増産にスピーディーに対応する余地を確保する意味合いも大きい」と話した。

 国分工場は1972年操業で、同社国内最大規模の製造拠点。敷地面積は約39万3000平方メートルで、従業員はパートを含め約4950人。