奄美に秋 希少植物 かれんな花々 世界自然遺産 盗掘、草払い 減る群生地

 2021/09/27 07:30
白い花を咲かせるダイサギソウ=26日、奄美大島
白い花を咲かせるダイサギソウ=26日、奄美大島
 奄美大島の山中で、絶滅の恐れがあるダイサギソウとツルウリクサ、リュウキュウサギソウのかれんな花が満開となり、秋の訪れをひっそりと告げている。

 ダイサギソウは地生ランで、白い花がサギの飛ぶ姿に見えることから名付けられた。群生地の草むらから約50株が花をのぞかせる。

 林道沿いでは、奄美大島が北限のツルウリクサが地をはうように紫色の花を咲かせる。リュウキュウサギソウは糸状の花弁を無数につけて、木漏れ日を浴びて淡い緑色に輝いている。

 奄美市名瀬の植物写真家、原千代子さん(66)によると、いずれの花も30年ほど前には島の広い範囲で見られたが、盗掘や草払いなどで分布地が減少。群生地は数カ所だけになったという。「とったりせず、見て楽しんでほしい。草刈りの際にも注意が必要だ」と話した。